Q
保険会社のビジネスモデルはどうなっていますか?保険料以外の収益源はありますか?
業界・企業研究2026-04-28
A
保険会社は「保険料を集めて、事故や病気の際に保険金を支払う」だけの会社ではありません。集めた保険料を運用する「資産運用」が、もう一つの大きな収益の柱です。
保険会社の2つの利益の源泉
1. 保険引受利益(アンダーライティング利益)
保険の本業から得る利益です。
- 契約者から受け取る保険料収入から、保険金の支払いや事業経費を差し引いた利益
- 生保の場合:「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」の3つの予定と実績の差から利益が生まれる
- 死差益:予定より死亡者が少なかった場合の利益
- 利差益:予定より高い利回りで運用できた場合の利益
- 費差益:予定より経費を抑えられた場合の利益
- 損保の場合:コンバインド・レシオ(損害率+経費率)が100%を下回れば引受利益が出る
2. 資産運用利益
集めた保険料を運用して得る利益です。
- 保険料は将来の支払いに備えて蓄積されるため、膨大な資金を運用できる
- 生保は特に長期契約が多く、運用資産が大きい(日本生命の総資産は約80兆円規模)
- 国債、社債、株式、不動産、海外資産など多様な資産に投資
- 保険会社は「世界最大級の機関投資家」とも呼ばれる
生保と損保のビジネスモデルの違い
生命保険
- 長期契約のため、安定した保険料収入が見込める
- 資産運用の比重が大きく、運用成績が経営に大きく影響する
- 相互会社形式(契約者が社員)の会社が多いのも特徴
損害保険
- 1年更新が基本で、毎年の契約獲得が重要
- 自然災害(台風、地震など)で保険金支払いが急増するリスクがある
- そのため再保険(保険会社がさらに保険をかける仕組み)を活用してリスクを分散
近年のビジネスモデルの変化
海外事業の拡大
- 国内市場は少子高齢化で縮小傾向にあるため、海外M&Aによる成長が加速
- 東京海上はアメリカの保険会社を複数買収し、海外利益比率が50%を超えている
- 生保各社も東南アジアなど成長市場への進出を強化
保障から「サービス」への拡張
- 保険金を支払うだけでなく、健康増進・事故予防サービスを提供する動きが拡大
- 生保:健康アプリ、ウェルネスプログラム
- 損保:ドライブレコーダー連動型保険、防災コンサルティング
面接での活かし方
「保険会社のビジネスモデルが、保険引受だけでなく資産運用や海外事業へと広がっていることに注目しています。御社が〇〇地域で展開されている海外事業は...」
ビジネスモデルを正確に理解していると、「この学生は本気で業界研究をしている」 という印象を与えられます。
保険ビジネスモデル収益構造業界研究